9月 30
昨日は、両国のシアターカイで、「折田克子の世界」と、彩の国さいたま芸術劇場大ホールで行われた「ハレの祭典」を見ました。
折田先生の『憶の市』は、1978年初演の作品です。
憶の市とは、記憶の市場。
音も衣裳も当時と変わらないとのことですが、全然古さを感じさせません。
ダンサー(15名)の個性も活かされていて、大変見ごたえのある作品(約50分)でした。
生命力あふれる、人間派の克子先生の視点は、34年ぶりの再演でしたが、まったくぶれていないのが、凄いと思いました。
次の『山ン姥』は、克子先生のソロ。
これは2006年に、第7回シアターカイ国際舞台芸術祭 『踊る妖精 黒塚伝説の姥たち』で初演された作品です。
先生のパワフルさと繊細さと人間らしさ、そして間のとり方が、もう流石というしかありませんでした。
いやはや、本当に凄い先生に習えていた幸せを、あらためて思いました。
「ハレの祭典」は、和太鼓奏者の佐藤健作さんの公演です。
古事記編纂1300年と、ストラビンスキー「春の祭典」作曲100年を記念して、「あなたの岩戸、開きます。」がテーマです。
共演のバレリーナ酒井はなさん、能の津村禮次郎さん、笛の一噌幸弘さんとの技が共鳴。
そして助演の佐藤健作太鼓陣「轟打GO-DA」の6名(高田淳、加藤拓哉、金刺由大、花原京正、花原秀正、古里祐一郎)の演奏は、文句無しの迫力。
素晴らしいパフォーマンスでした。
今日は、体の中から湧き上がる力、生命力、創造力を呼び起こされたような。
そして日本人の感性である「間」というものを深く感じた一日でした。
この二つの公演は、日本の宝といってもよいでしょう。
是非とも再演していただきたいです。